2012年4月30日月曜日

絵本の選び方(年齢別)


絵本についてのまとめ、第三弾です。

今回は、各年齢に合った絵本の選び方についてまとめます。

<新生児期>

なんでもOK!

生まれたばかりの赤ちゃんでも、周囲の人が語りかけてくれているということはわかります。

自分の好きな絵本、リズミカルな絵本、などなど、いろいろな絵本を読んであげてみましょう。

↓おすすめ絵本↓


私自身は、新生児期にそんな余裕はなく、読み聞かせはしていませんでした。

でも赤ちゃんは聴力が発達しており、お母さんのおなかにいるときから周りの音を聞いて

新生児でもお母さんの声は区別できるそうです!

お母さんの声でたくさん赤ちゃんに語りかけてあげましょう☆


<乳児期(~1歳)>

・写実的な絵(遠近法や鳥瞰図は難しい)

・赤ちゃんの知っているもの(食べ物・動物など)や生活場面(食事・お風呂)がでてくる絵本

・わらべ歌や詩の絵本

※生後6か月の赤ちゃんの視力は0.1くらいなので、はっきりした色や形のが認識しやすいようです。

※1歳2か月くらいで、ようやく平面図から立体図を想像できます。

※1歳半ころまでに、複数のものが見分けられるようになります。

↓おすすめ絵本↓

レオ=レオニ
好学社
発売日:2010-11-03


ねずみの親子がいきいきといろんな遊びを繰り広げます。

ボールや葉っぱ、お星様など身近なものが登場して、娘も喜んで聞いていました。

1歳ごろまでは絵本を口に入れてしまうこともあるので、

ボードブック(厚紙でできた絵本。角が丸いものが多い)もおすすめです。






だるまちゃんがてんぐちゃんをうらやましがったり、工夫をしててんぐちゃんの真似をする様子は、

子供らしさにあふれています。

親身になって協力してくれるだるまどん(だるまちゃんのお父さん)もたのもしい!

1歳の娘はそこまでわかってはいないのでしょうが、たくさんのものがずらっと登場する様子や

なんとなく楽しい雰囲気はわかっているようで、繰り返し読みました。



<幼児期(2~6歳)>

・身近な出来事やイベント(誕生日・お客さま・旅行など)や

感情(うれしい・おもしろい・しょんぼり)・・などが登場する絵本

・2歳半ころから、ストーリー性のある絵本・少し長い絵本が楽しめる

(このころから想像力がついたり、登場人物の関係性がわかるようになります)

・3歳ころからは、「自分がやってみたい、なってみたい」と思うような内容の絵本がよい


※2歳半くらいまでは、ほかのことに夢中になり聞いてくれないことも多いようです。

そんなときは無理強いせず、子どもが興味を示すのを待ちましょう。

↓おすすめ絵本↓


現在1歳5か月の娘がもう少し大きくなったら読んでほしい絵本です。

落し物の手袋の中に次々に動物が住み始め、手袋がどんどん家らしくなっていく様子が見事で

つい物語にひきこまれてしまいます。


<ただし・・>

『ぐりとぐら』の作者である中川李枝子氏は、

小さい子でもちゃんとしたお話の本を用意する、

そうすれば子どもは成長に応じてその本を楽しめるようになる。

ものの絵本はむしろちゃんと1人で読めるようになってからでいい。


という内容のことを言われています。(『本・子ども・絵本』 大和書房,1997)

赤ちゃんだからといって、ストーリーのない絵本を読まなければいけないということはありません。

ものの絵本を読み上げるより、ストーリーのある絵本をを読んだ方が

お母さんの声の温かみが伝わるのではないかな?と個人的には思います。

このように、絵本の選び方に関してもさまざまな意見があるので

いろいろ試してみて、自分の選び方を見つけていきましょう☆



★このページの内容を書くのに参考にした本の一覧は、下記のページにまとめて紹介しています。

http://flowerkayoko.blogspot.jp/2012/04/blog-post_24.html







2012年4月28日土曜日

よい絵本とは。(絵・言葉・ストーリー)

絵本についてのまとめ、第二弾です。

いざ絵本を選ぶとなったとき、どんなことに気を付けて選べばいいのでしょうか。

これに関してはいろいろことが言われていますが、

正直わかったような、わからないような感じがするので

私なりの解釈とともに、まとめてみます。

絵本を構成する、絵・言葉・ストーリー(テーマ) にわけて、まとめます。


<絵>


・色がきれい

・丁寧に描写され、無駄のない絵

・絵を見ただけでストーリーがわかる

・子どもにとっての現実性のある絵

・明るく、楽しく、子どもにもよくわかる絵

・芸術的にすぐれた絵



こんな絵がいいといわれています。

ではいったいどんな絵がそんな絵なのか・・。それがわかれば苦労しません。

でも一番確実なのは、「写実的な絵」です。

写実的な絵のものはいわゆる「かわいい」絵本ではないので、

私も子どもができるまでは手に取ったことはありませんでした。

でも実際そういった絵本を娘に読んでみると、

実際に見たことのあるものだとわかるので、娘の反応が大きいのです。



たとえば



いちご (幼児絵本シリーズ)
いちご (幼児絵本シリーズ)



ちいさなねこ(こどものとも絵本)
ちいさなねこ(こどものとも絵本)




などがあります。


もうひとつは、「躍動感のある絵」です。

絵本を読んでいると、登場するものがあたかも動いているような感じがするときがあります。

それは、必ずしも写実的とか明るい絵には限らないのですが

そのものの特徴をよくとらえているということだと思います。



たとえば



かもさんおとおり (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
かもさんおとおり (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)



かしこいビル (世界こども図書館A)
かしこいビル (世界こども図書館A)




などがあります。


<言葉>



・主語-述語のあるきれいな文章

・声に出して読んでみたときにリズミカル

・オリジナリティのある表現

・簡単な言葉ばかりでなく、子どもにとって未知の言葉もあるほうがよい



言葉に関してはこんなことがいわれていますが、これもまた

わかったようなわからないような。

私のいたった結論は、まず「声に出して読んでみること」です。

図書館でも本屋さんでも、絵本を選ぶときは声に出してみます。

(不可能なら心の中で音読します。)

そうすると、自分が読んでいて心地よいかどうかわかります。

そのあたりの基準はもしかすると個人的なものかもしれません。



私が声に出して読んでみて気持ちいいと感じたものには



こぐまちゃんのうんてんしゅ (こぐまちゃんえほん)
こぐまちゃんのうんてんしゅ (こぐまちゃんえほん)



などがあります。



またもうひとつには、「子供に覚えてほしいきれいな言葉」という結論にいたりました。

日常生活では私自身きれいとはいえない言葉で話しています。

ですが絵本には、子どもにお手本としてほしいような言葉があふれています。

たとえば私の好きな『おさじさん』という絵本には、

「こんにちは」「おいしい」「だいすき」などのきれいな言葉が盛り込まれています。



おさじさん (松谷みよ子あかちゃんの本)
おさじさん (松谷みよ子あかちゃんの本)


<ストーリー(テーマ)>


・読後感がよいもの

・小さい子どもにとっては、大冒険でなくても、当たり前の一日を描いた絵本がよい

・子どもの願望に応えられるような絵本

・仲間と協力して困難を乗り越える内容の絵本



1冊でこのすべてを満たすのはなかなか難しいですし、これにあてはまらなくても

面白く、子どもが楽しめるものはたくさんあります。

また、赤ちゃん絵本にはストーリーのないものが多く、ストーリーを楽しめるのは

2歳ごろからといわれています。



私のおすすめは、



ラチとらいおん (世界傑作絵本シリーズ―ハンガリーの絵本)
ラチとらいおん (世界傑作絵本シリーズ―ハンガリーの絵本)


です。

主人公のラチがどんどん強くなっていく様子に、子どもは自分を重ね合わせ、

勇気づけられるのではないでしょうか。

らいおんは茶目っ気たっぷりで、楽しさも忘れていない絵本です。



<さらに>



・物語と絵の調和のあるもの



ということがよく言われます。

しかし私自身物語と絵が調和していないものを判断できるほど、目が肥えていません。

ですが気を付けたいのは、昔話絵本です。

昔話絵本は数多く出版されており、そのなかには

ストーリーが省略されたり、日本の昔話なのに現代のアニメ調の絵のものなどがあります。

昔話絵本を選ぶときは、もともとの物語がしっかり描かれ、その雰囲気をよく表したものを選びましょう。




たとえば下記のものは、しっかりと厳選された言葉と、雰囲気をよく伝える絵で描かれています。




ももたろう (日本傑作絵本シリーズ)
ももたろう (日本傑作絵本シリーズ)




今回は、年齢に関係なく、一般的な「よい絵本」についてまとめてみました。


ですが実際には、自分の子どもの年齢に応じて、どんなものを読めばいいのか

迷うことも多いと思います。


次回は、各年齢にあった、絵本の選び方についてまとめます。


★このページの内容を書くのに参考にした本の一覧は、下記のページにまとめて紹介しています。



http://flowerkayoko.blogspot.jp/2012/04/blog-post_24.html













2012年4月24日火曜日

なぜ絵本の読み聞かせ?

昨昨年度、NPO法人「絵本で子育て」センター主催の「絵本講師・養成講座」に参加しました。

その1年で学んだことを少しずつまとめていきたいと思います。




まずは、「なぜ絵本の読み聞かせをするの?」という、一見当たり前の事柄についてまとめてみます。

絵本の読み聞かせといえば、ボランティアの活動をされている方も多いし、子供は喜ぶし、なんとなく当たり前のようによいことだと思ってしまいますが、そのよさをあえて言葉でまとめてみたいと思います。




<絵本のよさ>


★新しいもの・ことに出会う機会を持てる。


★知っているもの・ことを絵本の中に発見することで喜びを感じるとともに理解を深めることができる。

★登場人物に自分を重ね合わせることで、様々な感情を知り、人の気持ちも理解・尊重できるようになる。

★本への親しみを持つことができ、読書の習慣への橋渡しとなる。




文字を読める子供が自分一人で絵本を読んだとしても、↑のようなことは期待できます。

絵本はテレビと違い、自分のペースで読むことができますし、自分の想像力次第でいろんなふうに読めます。

それ自体、すばらしいことです。


<でもさらに、読み聞かせをすることで・・>




★言葉を読み書きするものではなく、聞くもの、話すものとして体験することで、言葉の喜びを知ることができる。

★絵本を読んでくれる人の愛情をたっぷり感じられる。(1対1で読むことが大切。)

★絵本を一緒に読んで楽しむことで、何かを共有することの喜びを知ることができる。

★絵本を読んでくれる人の毎日の様子の変化にも勘付くようになる。




知識を得るだけではなく、コミュニケーション能力(聞く力、表現力、人と関わることを喜べる力)が育っていくことが期待できます。コミュニケーション能力とひとことで言ってしまえばなんだかそっけない感じがしますが、人生を前向きに生きていける力・・のようなイメージです。




<また、親にとっても・・>




★親も絵本を読むことで子供心を取り戻せる。

★子供をかわいがってあげている実感、育児に対する自信につながる。

★子供の反応を見ることで、どんなことに今興味があるのか、どんな言葉や文字を知っているのかなどを確認できる。




読み聞かせは子育ての強い味方となります。

<そして、親子にとって・・>


★思い出、言葉、イメージなどを共有することができる。

★何より、楽しい時間を持つことができる。




絵本の読み聞かせというと、子供が文字や知識を覚えるということを思い浮かべがちですが、

実はこんなにたくさんのいいことがあることがわかります。




私自身、娘が5か月のころから絵本の読み聞かせを続けてきて、

絵本のおかげで娘の変化に気づけた!ということが多々ありました。




たとえば・・




以前に本屋さんで見て、文章がきれいなので気に入って買った「ちいさなき」(かんざわ としこ ぶん/ たかもり としお え)という絵本がありました。

表紙は草木の絵で、いっけん地味~な感じです。

せっかく買ったのに娘もしばらくは存在を無視し、読んであげようとしても途中で本を閉じられる始末でした。

ですが娘が歩けるようになって一緒に外に散歩に行くようになりしばらくして、娘がその絵本を

自ら持ってきたのです!




外に行けるようになったので、葉っぱとか草木に親しみを感じるようになったのですね。

読んであげたら、「ぱっぱ、ぱっぱ(葉っぱのこと)!」と言って喜んでいました。




同じ本でもあるとき急に興味を持つことがあるのだな~と実感した瞬間でした★




次は、「絵本の選び方」についてまとめたいと思います。




★このページの内容を書くのに参考にした本の一覧は、下記のページにまとめて紹介しています。



http://flowerkayoko.blogspot.jp/2012/04/blog-post_24.html

絵本・育児について読んだ本たち

2011-2012 の間に、絵本と育児に関して読んだ本をまとめて紹介します。
ブクログにこんな機能があったなんて!素敵~。



kayohikoの本棚 - 2011年01月~2011年12月 (14作品)
昔話絵本を考える
松岡享子
読了日:06月17日
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日本語のために
丸谷才一
読了日:10月15日
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kayohikoの本棚 - 2012年01月~2012年12月 (11作品)