学校図書館協議会主催の「「読書会コーディネータ養成講習会」に参加してきました。
日時:2012年9月8日(土)10:00-16:00
場所:のじぎく会館(神戸)
講師:長尾幸子氏(厚狭高校)
以下、内容まとめです。
☆講師や厚狭高校、合同読書会の取り組みなどの紹介
■厚狭高校では学科の統合に際し図書館を一新。
設備、資料の充実した様子がうかがえた。
■長尾氏が中心となり合同読書会を開催。
今では高校の卒業生や地域住民の方も参加。
☆読書会とは
■読書会の意義は、読書の感動を表現し、さらに共有できること。
読書感想文や読書ノートではできないこと(=交流)ができる。
■読書会の形
<本の選び方・読み方>
・テーマを決めて各参加者が自分のおすすめ本を持ち寄り紹介しあう
・一人が自分の推薦図書を紹介し、それにつき話し合う
・あらかじめ1冊の図書を決め、それについて話し合う
※あらかじめ読んで来たり、その場所で一緒に読んだり、
誰かが読み聞かせをするなどの方法がある
<話し合いの方法>
・作者を囲んでの話し合い
・バズセッション形式 ※人数が多すぎると話し合いが難しいため
・パネスディスカッション形式
・プレゼン形式
その他、行う時間(授業/LHR)や、参加者(高校生/中学生/教職員/卒業生・・etc.)により
条件が異なる
☆読書会をひらく
■選定する本の条件
・参加者が心惹かれるものであると同時に、主催者が心惹かれるもの
・普遍的なテーマと現在的なテーマがうまく組み合わさっているもの
・入手しやすいもの(安価なもの、著作権切れのもののコピー、SLAの集団読書テキストなど)
■日時を決定
・テストや運動会などのほかのイベントがないとき
・読書週間や文化祭など、読書に関する盛り上がりのある時期
■参加者を募集
ポスターやチラシで広報
■役割分担
司会、記録係、朗読係など
■流れの作成
<流れの一例>
①自己紹介、本の感想や疑問
②印象的な部分について紹介しあう
③疑問や話し合いたいことを決める
④登場人物と同じ経験や思いについて語り合う
⑤読書会を終えての感想を言い合う
※最初におおよその流れ(テーマ)を決めておくが、実際はどのように流れがそれていってもOK
■感想文集の発行
・報告冊子 当日の流れや、参加者の感想などを冊子にまとめる
・読書ボード どくしょ甲子園(*1)で行っている試み。
キャッチフレーズ・感想・絵などをひとつのボードにまとめる
※厚狭高校では、長尾氏と学生による図書委員会で上記のような計画・運営を行っているとのこと
☆読書会の実践例の紹介
■中学生と高校生の合同読書会
■ディベート形式での読書会
☆質疑応答
■読書会の素材は小説の方がいいか?→ノンフィクションでもOK
■ビブリオバトルとの違いは?→読書会には勝ち負けや正解がないというよさがある
☆読書会の実践
石田衣良「夕日ヘ続く道」を素材に、4グループにわかれて(各班7-9名)読書会を行った。
はじめの30分でテキストを読み、感想をまとめた。
そのあと2時間ほどで司会を中心に感想を話し合い、最後に各班の発表を行った。
【感想】
読書会をいざやってみると、自分ひとりでは気づかなかった視点や感想を聞くことができ
読みが深まった。
ふだん考えないような次元のことを深く考え、言葉にするというよい経験だと思う。
私のグループでも、親子関係から教育論まで、とても深い議論になりおもしろかった。
ぜひ大学生を対象にひらいてみたい。
実際読書会を開くとなると、用意するテーマが重要になる。
昨日の読書会でもいくつかのテーマ(設問)が用意されていたので、議論が深まった。
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*1 どくしょ甲子園
朝日新聞の主催で、2010年にスタート。
4人前後の高校生のグループで、読書会でとりあげた本や読書会の楽しさを1つのボードにまとめ、応募する。