2013年11月2日土曜日

【感想】"University libraries: 10 global portraits”

カレントアウェアネスで紹介されていた以下の記事を読んでみました。


University libraries: 10 global portraits
http://www.theguardian.com/higher-education-network/blog/2013/aug/07/university-libraries-10-global-portraits

英Guardianが世界の10大学図書館のインタビュー記事を掲載、日本からは多摩美術大学図書館」
http://current.ndl.go.jp/node/24118



世界各地の10の大学図書館がその現状や今後の展望についてインタビューに答えており、日本からは多摩美術大学が回答しています。

各地の環境とか大学の規模・特性などによってプライオリティは異なる反面、万国共通のトレンドみたいなものもあり、普段着目できていなかった地域の大学図書館も含めて概況を知ることができおもしろかったです。

意外だったのは、テクノロジーの変化等についての言及も多い中、いくつかの館でスペースとしての図書館の重要性が、それもアンケート等で得られた利用者からの要望として語られていたことです。
ラーニングコモンズの流行などはその顕著なところかもしれませんが、もっと単純に居心地の良い空間とか、学習できる設備が整っているというような要望が強いようです。

またやはりオープンアクセスや、電子リソースへのシフトについての記述も多くみられました。ナイジェリアのAmerican University of Nigeria Library で、発展途上国ではオープンアクセスの情報源が教育上重要だと語られていたのが印象的でした。

また今後の図書館(員)の役割としては、以下のような記述が参考になりました。


  • 学習支援・研究支援、地域貢献のほか、優秀な学生や研究者を呼び込めるような図書館となること
  • オープンアクセスや著作権等の問題に対処するため、法的・技術的知識や、プロジェクトマネジメントのスキルを身に着けること
  • 従来の図書館の知識(文献調査法等)を新しい世代の研究者に伝えること
  • 文献を探し出すことよりも選ぶことのスキルを伝えていくこと
  • 自らも研究を行うことで、利用者のニーズを把握し、学内でも信用を得られる存在となること


どれもハードルが高いですが、こういうことができる能力が「図書館員の専門性」として求められてくるのですね。。
勉強になりました。





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