2014年5月26日月曜日

【読書の記録】カルチャーショック ハーバードvs東大─アメリカ奨学生のみた大学教育─

カルチャーショック ハーバードvs東大─アメリカ奨学生のみた大学教育─
カルチャーショック ハーバードvs東大─アメリカ奨学生のみた大学教育─

職場の図書館をぶらぶらして見つけた本なのですが、タイトルにある両大学でのそれぞれの経験が対照的に書かれていてなかなか興味深かったです。

読む前から予想はされるものの、ハーバードでの個々の力を多方面にのばす教育と、東大(をはじめとする日本の大学)での学生の可能性をさまざまなルールや枠組みでおさえつけてしまう教育という図式が全体的に描かれていました。

ハーバード大では、授業時間内にディスカッション等で学生の参加が多いことはもちろんボランティア等の課外活動をかなり重視している(しかも入学選抜時点から)というのが印象的でした。学生に海外旅行をして旅行ガイドを作成してもらう経験を提供し、旅行ガイドを販売するというプロジェクトもとてもよいと思いました。

日本では自由に意見をかわせる環境がないまま教員が学生に一方的に知識を教える授業をしているとの指摘は珍しくありませんが、そのことがすなわち、知識はもっていてもなにも生産しない学生を育ててしまうという指摘は納得でした。

自分自身がまさにそうでしたが、いくら知識を身に着けても「知識の使い方・生かし方」が身についていなくては社会に出てから知識はなかなか役にも立ちません・・。

知識を使って何か生み出すというやり方は、大学時代の、ボランティアやインターン、サークル活動での経験により徐々に身につくことだと思います。また学習でも、ただ知識を断片的につめこむのでなく、第三者に発表する、論文やレポートとしてまとめる、仲間とともに何か目標をたてて取り組む等により「何か生み出す」という力がのびると思います。

大学職員としては、学生さんにいかに多様な経験をしてもらえる環境作りをするか今後の課題だなと感じました。