2015年8月23日日曜日

『絵本をよんでみる 』五味太郎著


絵本をよんでみる (平凡社ライブラリー)
絵本をよんでみる (平凡社ライブラリー)

この本はすごい。
久々に、次々読みたい、でも読んでしまうのがもったいない、と思う本に出会いました。

13冊の絵本を、五味太郎さんが、小野明さんという方と対談形式で深く「よんでみて」いる本です。
絵本の描かれていない部分をよむ、というのは、みんな多少はやっていることと思いますが、そのよみが深すぎて深すぎて、全身・全力でぶつかっている感じです。
登場人物の来し方、人生、普段の過ごし方(笑)、職業、関係性、本音…などが、五味さんのフィルターを通して考察されていています。

特に、アーノルド・ローベルの『ふたりはいっしょ』がまくんとかえるくんと、同じくローベルの『ふくろうくん』の考察にはうならされるとともに、笑いました。

がまくんとかえるくんは老人もしくは子ども、二人は友情ごっこをしている?というネタや、ふくろうくんは読者の視点を意識したうえでの行動をとっている?など・・

他の絵本にも同様に、深くメスがいれられているので、ぜひいろんな人に読んでみてほしい本です。

絵本も本も、どう読むかは読む人のもつ厚み・深み次第なんだなあ…と思わされました。
絵本の感想、というより、絵本を引き金にした五味さんの思索・哲学が書かれているような感じです。

2015年8月9日日曜日

『図書館を演出する―今、求められるアイデアと実践』


こちらの本では、図書館を演出する方法が、基礎理論編、実践編、技術編の3部構成で説明されています。

基礎理論編では、舞台美術家の方ならではの、空間づくりのコツが紹介されています。
いかに気持ちよく人が本と出会えるようにいざなうか。
また時には本を目的としなくてもきてもらえるような、心地よい空間をいかにつくれるか。
といった内容が書かれています。

たとえば、図書館の入り口には、はじめてきた人がこれから何をするか考えられるような、案内図や広場があるか?
本をさがしまわったあと一息つける場所があるか?
色数や情報が多すぎないか? などなど。

基本的に図書館では、ポスターの貼りすぎ、色のつかいすぎなど、視覚的に情報が多すぎる状態になってしまっているんだろうなぁと思いました。

実践編では、大阪芸術大学で行われた学生協働の試みが紹介されています。
2008年に『展 FINAL in 図書館』と題して行われた、図書館の資料も使い、図書館内全体を会場とした展示の試みです。

他にもさまざまな、既成概念をうちやぶるようなコラボレーションが紹介されていて、可能性の多さに驚かされました。
健康診断の受付を行いその待ち時間中にガイダンスを行ったり、また広報を学ぶ学生に、図書館ガイダンスの様子を自主制作の新聞記事にしてもらうなど、多様な試みです。
それらは日々、図書館から外に出て活動をされている努力のたまものとのことで、「コラボは1日にしてならず」の言葉が印象的でした。

技術編では、図書館を演出するために新たな企画をおしすすめる際、実際にどのように計画をすすめるのか、綿密なプランのたてかた・すすめかたが紹介されています。

こういったことを学ぶ機会は実は少なく、見よう見まねで行っていることが多いので、大変ためになりました。

図書館を場所として好きになってもらうために、とても参考になる本なのでぜひおすすめしたいです。