2016年5月5日木曜日

2歳半-5歳の子どもへの絵本選び

2歳後半-5歳くらいの子ども向けの絵本選びにつき、どんなことが言われているのでしょうか?

色々な方がおっしゃっているのは、

  • 3歳ごろから物語絵本が楽しめる


ということです。

具体的には、たとえば次のような絵本があげられています。





また、大きくなってからも、赤ちゃん向けの絵本も引き続き楽しめます。

その他、それぞれ著者の方が参考になることを書かれていましたので、下記をご覧ください。


★1 よい「絵本」とはどんなもの? 著者 : 永田桂子

2歳6か月-3歳6か月
  • 「信頼」をテーマにした絵本
  • 身近な出来事やイベント(誕生日、お客様、旅行など)
  • 感情を表現する言葉(うれしい、おもしろい、しょんぼり)

3歳6か月-4歳6か月
  • 登場人物に感情移入できるようになる=物語絵本を楽しめる
  • ナンセンス絵本はまだ早い
  • 自分の力で物事を成し遂げ、成長が確認できる内容 例:「ぐるんぱのようちえん」
  • 主語・述語のはっきりしたきれいな日本語

4歳6か月-5歳6か月
  • 主人公が自主的行動をし成功する物語 例:「はじめてのおつかい」
  • 現実とリンクするナンセンス絵本はよくない
  • 身近なもの以外がテーマでも「何?」と聞けるようになる
  • 登場人物に「力持ち」「恥ずかしがり」など特徴があると興味を持つ
  • 抽象的な絵も楽しめるようになる
  • 絵に描かれない部分(=感情、時間、動きなど)が文章で語られるとよい

★2 保育者と学生・親のための乳児の絵本・保育課題絵本ガイド 制作 : 福岡 貞子 礒沢 淳子

1歳3ヶ月-2歳半ごろ
  • 読み聞かせをきかないことも多いので無理に聞かせない

2歳半-3歳半
  • 登場人物の関係がわかるようになってくるため物語絵本を楽しめる


★3 子育てに絵本の読み聞かせを 著者 : 野村昇司

幼児
  • 動物・のりもの・数や文字を扱った絵本などがよい


★5 絵本の現在 子どもの未来 著者 : 松居直

3歳ごろ
  • 「いつかやってみたい、なってみたい」と思えるような感動/心の充実感を得られる絵本


★6 読み聞かせ―この素晴らしい世界 著者 : ジム・トレリース Jim Trelease 訳:亀井よし子

幼児
  • 文字のない本は、連続した絵がストーリーを物語っていることを理解するのによい
  • 本を作るのもおすすめ

★7 絵本とは何か (エディター叢書 6) 著者 : 松居直

2-3歳
  • うさこちゃんシリーズ:次のような理由から子どもが安心する
    • 正方形で安定している
    • 片面が白・片面が色となっておりバランスが取れている
    • うさこちゃんが常にこちらを向いていて安心する
  • わらべうたや詩の絵本で言葉の音やリズムのもつ楽しさを味わう機会をもつとよい


3歳前後
  •  子どもが物語に興味をもち理解するようになる

赤ちゃん向けおすすめ絵本

赤ちゃんにおすすめの絵本をご紹介します。
どの絵本も、読んでいる大人も赤ちゃんと一緒に笑顔になれるような絵本です。
赤ちゃんの絵本選びについてはこちらもどうぞ。

★たまごのあかちゃん



いろんな形・大きさのたまごから、どんな動物が生まれるのでしょう?
リズミカルな言葉と、はっきりした絵、繰り返し、など、赤ちゃんの楽しめる要素がつまった絵本です。

★おふろにいれて



りゅうちゃんがおふろにはいっていると、だれかが窓からのぞいていて・・
繰り返しのリズムが楽しく、みんなでお風呂にはいるうれしさが、伝わってくる絵本です。

★ももんちゃん あーん



ライオンの親子と一緒に食事をするももんちゃん。
読んだ後、ほっこりと心が温かくなる絵本です。
ほっこりの内容は、ぜひ実際に読んでみてください。

★かお かお どんなかお



はっきりした色彩で、たくさんの表情が描かれています。
まだお話が楽しめない赤ちゃんとでも、一緒に楽しめる絵本です。
登場する表情豊かな「かお」をぜひ真似しながら楽しんでください!

赤ちゃん向けの絵本選び


赤ちゃん(0-2歳前半くらい)向けの絵本選びにつき、どんなことが言われているのでしょうか?

複数の方が赤ちゃん向けの絵本の条件としておっしゃっていることはこのようなことです。

  • ものの名前の絵本
  • 言葉遊び・わらべ詩・詩の本
  • 擬音語・擬態語が多い
  • はっきりした写実的な絵
  • 身近なテーマ(例:食べ物、乗り物、生活場面・・)


具体的にはこれらのタイトル等があげられています。


その他、特徴的なご意見としては、中川李枝子さんは下記のようにおっしゃっています。

  • 小さい子でもちゃんとしたお話の本を用意すれば子どもは成長に応じその本を楽しむようになる


また、赤ちゃんは年齢により、絵の描く内容をわからない場合などがあるようです。

  • 4-7か月だと遠近法や鳥瞰図の理解は難しい
  • 7か月-1歳6か月ごろ、複数のものを見分けたり、「連続」を理解したりできる
  • 1歳2か月で平面図から立体を想像できる
  • 1歳6か月までの赤ちゃんは、大人にはすぐ理解できる絵も理解が難しい


それでも、楽しい時間を共有することが目的なら、どんな絵本でもいいともいえます。
上記のようなことも参考にしながら、目的に応じ絵本選びをするといいようです。

より詳しく知りたい方は下記をどうぞ。


★1 よい「絵本」とはどんなもの? 著者 : 永田桂子

4-7か月
  • 写実的な絵・子どもの目線の絵
  • 遠近法や鳥瞰図は難しい


7か月-1歳6か月
  • 身近なものや生活場面が出てくる
  • 擬音語・擬態語が多い
  • 複数のものが描かれていても見分けられる
  • 「連続」がわかる


1歳6か月-2歳6か月
  • 泣く・笑う・転ぶ・こぼすなど自分が経験していることが登場する


★2 保育者と学生・親のための乳児の絵本・保育課題絵本ガイド 制作 : 福岡 貞子 礒沢 淳子

0歳
  • オノマトペ(擬音語・擬態語)が好き
  • ものの名前の絵本、わらべうたなど 例:「もこもこもこ」


★3 子どもの育ちを支える絵本 著者 : 脇明子


  • 赤ちゃんにはオノマトペがよい
  • 中でもオリジナリティのある表現や、書き手が本当に聞いて生み出した表現がよい


★4 子育てに絵本の読み聞かせを 著者 : 野村昇司

0歳
  • 単純な絵・形・はっきりした色 例:うさこちゃんシリーズ、こぐまちゃんシリーズ
  • 赤ちゃん自身の感情や行動とリンクするもの
  • ことばあそび絵本


★5 絵本の現在 子どもの未来 著者 : 松居直


0歳ごろ
  • 赤ちゃんにとって絵本は、親と赤ちゃんのつながり・からだと心のつながりを強める役割
  • 特別に赤ちゃん絵本として選ぶ必要はない
  • 写実的で美しい挿絵・赤ちゃんが興味をもつもの 例:どうぶつのおやこ うさこちゃんシリーズ


2歳ごろ
  • 生活絵本、ものの絵本、わらべ詩や詩の絵本
  • 親しみやすく没個性な主人公だと同一化しやすい 例:こぐまちゃんシリーズ、「たろうのおでかけ(こどものとも絵本)」等たろうシリーズ


★6 本・子ども・絵本 著者 : 中川李枝子


  • 小さい子でもちゃんとしたお話の本を用意すれば子どもは成長に応じてその本を楽しむ
  • ものの絵本はむしろちゃんと一人で読めるようになってからでいい


★7 読み聞かせ―この素晴らしい世界 著者 : ジム・トレリース Jim Trelease 訳:亀井よし子

乳児
  • 読んでさえいればなんでもよいが、下記ものはなおよい
    • 見慣れた/聞きなれたものが登場する
    • マザーグースなどのわらべ詩
    • 単純ではっきりした絵とストーリー 例:ディック・ブルーナ
  • 1歳6か月までの赤ちゃんは、大人にはすぐ理解できる絵も理解が難しい
  • 1歳2か月で平面図から立体を想像できる


★8 絵本が目をさますとき 著者 : 長谷川摂子

  • はじめての絵本は、赤ちゃんも興味津々の食べ物の本がよい